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「大和、香苗達はどうしたんだ?」
「……」
俺の疑問に、大和は答えなかった。
嫌な予感しかしてこない……
弘の座った座席の周りが、血で汚れ始める。
「は、早く止血しねぇと!!皆、止血に使えるものを探してくれ!」
早見が慌てて止血に使えそうなものを探しだした。
「その必要は……ない。」
俯いたまま答える弘。
「え?」
「俺の血じゃないんだ……」
「そ、それって……まさか……?」
狼狽える早見。
「そう、さっきまで生きていた、クラスメイトの血だ。」
代わりに従業員が答える。
「さっきまで」生きてた……
嫌な予感は的中した……
それじゃあ、四人とも……?
「二人はゴンドラから落ちて死亡、一人は警察に通報しようとしたから殺した。」
ゴンドラから落ちた?どういう事なんだ……
「ゴンドラの二人は、ここで万引きをしていたのさ。だから見せしめにな。ちょっと趣向を変えた殺し方をしてやったよ。」
まさか万引きをするなんて……
だが当然、殺す理由になるわけが無い。
しかも趣向を変えた殺し方なんて……ふざけてる……
香苗と理恵はよく二人で一緒に居た。おそらくゴンドラから落とされたのはこの二人だ。
「君たちの先生も、邪魔になるんで殺させてもらった。」
先生まで……
そして警察に通報しようとした女は銃で撃ち殺した。」
美佳……
なんとか奴らの隙を窺っていたのか……
「そんなぁ……」
「こんなのいやだよ……」
号泣している女子達を尻目に
「まじ使えねぇな。」
後ろの座席から声がした。
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