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すぐに、バスは動き出した。
「カーテンを閉めろ。」
言われるがままに、カーテンを閉める。
簡単な事だが、恐怖で手が震えた。
周りも、慌ててカーテンを閉める。
これで、周りの人に助けを求めることは出来なくなった。
フロントガラスから、なんとか前方の様子は見れる。
「これを着けてもらう。」
渡されたのは、黒いアイマスクだった。
とても用意周到だ。
俺たちをこうやって捕まえることは、前々から計画されていたんだろう。
俺たちを捕まえる理由は。
他のクラスでも良かったのか。
疑問は沢山あるが、今は指示に従うしかない。
「……」
視界が閉ざされた……
携帯はズボンのポケットに入れてある。
なんとか110番にダイヤルできないか。
無言電話でもいい。
とにかく何かしらの手を打ちたかった。
「……」
手をこっそりズボンのポケットに近づけていく。
「荷物も全て没収だ。」
やっぱりダメだ……!
僅かな望みも無くなった……
結局何も出来ないまま、携帯や財布、カバンも奪われてしまう。
「あ~くそが……」
門原が小さい声で呟いていた。
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