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《川口視点》
「これから10分以内に、バスまで戻ってもらう。 間に合わなかった奴には死んでもらう。 全速力で走らないと間に合わない。」
「この女を連れて行ったら、まず間に合わない。 見捨てることをお勧めするよ。」
俺は、理不尽なゲームを提案した。
女を見捨てないと間に合わないだろう。
罪悪感に苛まれる姿を想像するだけで興奮してきた。
「大和、彩、先に行け。 美佳は俺が連れて行く。」
やはりこういう人間はどこにでもいるな……
だが、いずれ見捨てることになるだろう。
「弘、俺も協力する。」
「いや、大和は彩と一緒に行ってやれ。時間がない。もう行く。」
最初は意気込んでいたが、結局、弘君はあの女子生徒を見捨てたようだ。
最終的には、一番大事なのは、自分ということだ。
罪悪感に苛まれる姿は、後々見させてもらうよ。
「……!」
どこからか見られている気がした。
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