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「次、俺行くよ!」
春樹(はるき)が、意を決したように言う。
二人連続の失敗で俺達は絶望していたが、春樹は別だった。
皆を奮い立たせようとしてくれている。
「春樹は強いよ……尊敬する。」
「ありがとう、聖斗。少しでも状況を良くしてやるからな。」
春樹はハシゴの下から、目を凝らし、注意深く上を見ている。
二人連続で失敗しているから、何かしら状況が変わっているのかもしれない。
さらに、入念に準備体操をする。
「行ってくる……!」
春樹は、極めて慎重にハシゴを登っていった。
「……!」
またあの音だ……
変わり果てた春樹が落ちてきた。
「春樹ぃいいいい!」
大和、武、そして春樹の遺体がハシゴ周辺に散らばる。
地獄絵図と化していた。
難易度が上がっているのか?
とにかくこのままでは……次に登る人も……
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