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「あれ?」
俺の予想と裏腹に、健一はもう交差点で待っていた。
「おはよう聖斗君!」
自慢げな顔だ……
「早いな……」
「へへへ! なんか楽しみでさ~、無理矢理起きちまったよ。」
「では、行きますか。」
健一と話しながら、あっという間に学校についた。
クラスメイトは、ほとんど揃っているようだ。
バスも到着している。
彩(あや)と美佳(みか)が俺たちに声をかける。
「聖斗君、健一君、おはよう!」
「おはよう!早くバス乗ろうぜ、そろそろ限界だ。」
健一が凍えている。
「悪いな健一、全員揃ってからじゃないとバスには入れないんだ。」
委員長の早見が言った。
早見は、同い年とは思えないほどに、しっかりしている。
クラスがどんなにバラバラになっても、彼がいればなんとかなる気がする。
「まじかー……早く来てくれー……」
「来たぞ。」
少し待った後、まだ来ていない人が到着する。
「全員集まったから、バスに乗るぞ! 4号車に乗ってくれ。」
山中先生が、クラス全員に聞こえるよう、大きな声で言う。
「聖斗、隣同士になろうぜ!」
健一に促される。
「オッケー。」
俺と健一は、後ろの方の座席に座った。
全員が入り、自由な席に座った。
俺は周りの風景が良く見える窓際に座った。
1組の乗る1号車から、3組の乗る3号車が先に出発した。
俺たちの乗る4号車は、最後に出発した。
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