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「じゃぁ、証拠見せて?」
葉月が瞳を閉じる。
求めに応じ、唇を重ねる。
抱き締めるのも頭を撫でるのも、添い寝することにもなれたものですが、これだけは一生なれそうもありません。
触れるだけの子供のようなキスでさえこれなのに、大人のキスや最終段階に入ったらどうなることやら。
数秒間の触れ合いを終え、唇を離す。
顔を真っ赤にした葉月は、うつむいて自分の唇を指でなぞり、笑みを浮かべました。
満面の笑みではなく、ぞくりとするような妖艶な笑みを。
「兄さん、まさか、あの程度で満足なんですか?」
なんか変なスイッチ入ったぁ!?
「付き合いはじめて五ヶ月も経つのに、奥手なんですね、兄さんは」
ベッド脇に立て膝をつく俺に、しなだれかかるように抱きつく葉月。
耳にかかる吐息が熱い。
背筋が粟立ち、腕が葉月を抱き締め返せと持ち上がる。
「はむ……」
葉月に右耳を食まれる。
その刺激に背をのけ反らせた瞬間、葉月に床に押し倒される。
……葉月、こういう酒乱だったんですか!?
「兄さん、敏感なんですね……?」
可愛い、と耳許で囁かれ、直後になめられる。
俺の耳を思うさま堪能した葉月は、今度は唇に吸い付く。
重ねるだけではない。
文字通り吸い付いている。
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