第二章 In 妹 Dream

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次いで、舌が口腔へ侵入してくる。 反射的に歯で噛みそうになるが、葉月を傷つけるわけにはいかず、受け入れるしかない。 口腔内を蹂躙され、唾液を吸われ、流し込まれる。 やれやれ、一体どこで覚えてきたやら。 頭ではこの状況をどうにかしなくてはと思っていても、考えはまとまらず、腕は葉月を求めるようにその身を抱き締めていた。 やがて、葉月の動きに変化が現れる。 今葉月が吸っているのは唇ではなく鎖骨。 そして、手は俺の寝巻きの前ボタンを着実に外している。 ……え? いや、そっちはちょっと! 完全にボタンを外され、シャツまで捲られて上半身が露になる。 「あぁ……、逞しい……」 うっとりと息を吐きながら、俺の肌に手を這わせる葉月。 いや、胸板に頬擦りとかやめてください。 てか、右手! それ以上下にいくと危険域に! って、あ~――――っ!? 「……という初夢を見たんですが、正夢だったようですね?」 やけにご機嫌で、やけに艶々した半裸の葉月。 対照的に全裸の俺はやつれています。 「……お互い貞操は失わずすみましたが、兄は大切な何かを失った気分です」 まさか、妹に身ぐるみ剥がされるとは…… 「兄さん、こんな私ですが、今年も一年よろしくお願いします」 そう言って寄り添う葉月を、愛しいと思ってしまう辺り、将来は尻に敷かれそうですね。 In 妹 Dream 了
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