第壱章 入学式騒動

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2009/04/15 今日は四季彩高校の入学式があり、とんでもない馬鹿とであった。 「春樹、校長の話ってやっぱ長いのか?」 「話の短い校長がいたら、是非ともお目にかかってみたいものですよ?」 入学式を前に控えた教室。 期待と緊張にざわめくなかで、俺と秋士は平素の通り駄弁っていました。 知った顔も知らない顔も色々な室内。 あちこちで形成される小規模なコミュニティ。 それに混じらず、原稿用紙に向かう女子が目に入りました。 切れ長の目に薄い眼鏡。 それなりに整った顔立ちに文部科学省御推薦と言わんばかりの三つ編み。 どこをとっても委員長という言葉が似合いそうな女子でした。 ただ一点、口許に浮かんだ傲岸不遜な笑みを除けば。 その笑みはこれから始まるであろう平穏な高校生活を脅かすものであろうことは、容易に想像できました。
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