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はてさて、入学式が始まり俺は眠りの海へと船を漕ぎ出しています。
校長は
催眠音波を
出している
高瀬春樹心の一句
『新入生代表、前へ!』
トランス状態で立ったり座ったりしていると、新入生の答辞までプログラムが進んでいました。
ステージに上がったのは、あの女子。
女子はステージから全体を見回すと、満足そうに頷きます。
「諸君ら、退屈そうだな?
私はとても退屈だった」
ざわざわと、講堂がざわめく。
「だがそれでいい。
それが学生生活というものだ。
学校という空間に時間を搾取され、僅かに残った余白のような時間を青春と呼び精一杯謳歌する。 トキ
それこそが我らが輝く瞬間だ!」
だんっ!
両手の平で演壇を叩く。
僅かにうつむき溜めを作るが、違う!
……間違いなく痛みに悶絶してますね。
ばっ!
と背筋を伸ばし、僅かに涙が浮いた目を乱暴に擦る。
まるで泣いてないと言うかのように。
「私はここに宣言しよう!
私は諸君らが、青春を謳歌する一助になると!
諸君、私は騒動が好きだ。
諸君、私は騒動が好きだ。
諸君、私は騒動が大好きだ。
私は必ずお祭り女、杉並素子の名を生徒会記に刻んで見せよう!」
何故かヒートアップする講堂内。
大笑を上げる女子を取り押さえようと、生徒会、風紀委員会が動くが遅い。
女子、杉並素子は突如発生したスモークと共に姿を消していました。
それは、彼女が学生生活を謳歌させる手段を暗示しており、真冬に風紀委員に誘われた俺とすれば、溜め息の種以外の何者でもありませんでした。
入学式騒動 了
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