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そして、今日もまた、圭は人通りの少ない車道の角(カド)を曲がった。
すると、急に目の前がパッと眩(マブ)しく光り輝き、圭がそれに向けて眼を細めると、それは軽トラ(軽自動車トラック)のヘッドライトだと気がついた。
「はぁ…?…あ!」
気付いた時には遅かった。
真正面から突っ込んでくる軽トラに、ドカッと鈍(ニブ)い音をたててぶつかった圭は、軽トラにバイクごと跳ね飛ばされた。
「ぐああ…!」
その軽トラに跳ね飛ばしれた圭は、バイクは外装意外無事だが、体をフロントに激しく打ち付けられ、七mも飛ばされた。
しかし、七mほど飛ばされたにもかかわらず、まだ圭は生きていた。
夜の冷たいアスファルトの路上で、全身から血を出し、激痛が全身に走りながらも圭は、横たわった状態ではねた軽トラを睨(ニラ)みながら言った。
「この…くそトラ…ックが……いっ…てぇ!」
すると、軽トラはあろうことかバックをし、角に曲がってアクセルを踏み、夜の商店街方面の闇に消えていった。
その時、圭は軽トラが逃げ出したのをはっきりと見た。
「あの…やろ…にげ…や…ぐ……」
ドンドン目の前が真っ暗になっていく意識の中、微かなに思った。
(もう、死ぬのか…俺……)
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