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店。店内には、このえが一人で店番。そこへ浩司が登場。
浩司「こ、こんにちは」
このえ「……またあなたですか」
浩司「あなたが好きだって、何度言えばわかってもらえるんですか?」
このえ「わかりません。わかりたくないです」
浩司「……この間の人は、いないんですか?」
このえ「店長は、よそのほうへ行っています」
浩司「そうですか……。あの人、店長なんですね」
このえ「はい。夏目カオリさん。私の恩人です」
浩司「……恩人?」
このえ「! ……あ、あなたには、関係ないです」
浩司「詳しく知りたいです」
このえ「黙って下さい!」
浩司「はい……」
このえ「もう……」
二人、だんまり。特に話すこともないようで、会話は出てこない。浩司の居心地が悪そう。このえは仕事を続ける。
このえ「……きっかけはなんですか?」
浩司「え?」
このえ「……な、なんでもないです!」
そっぽを向いて作業を続ける。そこへ、いつぞやの万引き少女(原田美琴)が登場。
このえ「いらっしゃいませー」
美琴「……」
浩司「……あ、ああっ!」
店内を見て回る美琴。警戒する浩司。気にする様子すらないこのえ。やがて、浩司の目の前で、服を詰め込んで店から走り去る。
浩司「あああっ! やっぱり!」
このえ「……」
浩司「追ってきます!」
浩司、美琴を追って店から出る。取り残されたこのえ。
このえ「……」
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