第五場

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  店。店内には、このえが一人で店番。そこへ浩司が登場。 浩司「こ、こんにちは」 このえ「……またあなたですか」 浩司「あなたが好きだって、何度言えばわかってもらえるんですか?」 このえ「わかりません。わかりたくないです」 浩司「……この間の人は、いないんですか?」 このえ「店長は、よそのほうへ行っています」 浩司「そうですか……。あの人、店長なんですね」 このえ「はい。夏目カオリさん。私の恩人です」 浩司「……恩人?」 このえ「! ……あ、あなたには、関係ないです」 浩司「詳しく知りたいです」 このえ「黙って下さい!」 浩司「はい……」 このえ「もう……」   二人、だんまり。特に話すこともないようで、会話は出てこない。浩司の居心地が悪そう。このえは仕事を続ける。 このえ「……きっかけはなんですか?」 浩司「え?」 このえ「……な、なんでもないです!」   そっぽを向いて作業を続ける。そこへ、いつぞやの万引き少女(原田美琴)が登場。 このえ「いらっしゃいませー」 美琴「……」 浩司「……あ、ああっ!」   店内を見て回る美琴。警戒する浩司。気にする様子すらないこのえ。やがて、浩司の目の前で、服を詰め込んで店から走り去る。 浩司「あああっ! やっぱり!」 このえ「……」 浩司「追ってきます!」   浩司、美琴を追って店から出る。取り残されたこのえ。 このえ「……」
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