第六場

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  店。店内には、カオリとこのえ。二人で店内の整理をしている。  カオリ「このえちゃん、今日はね、本社の人が視察にくるそうなの」  このえ「視察……ですか」  カオリ「そうなの! うちは一応、チェーン店だから」  このえ「へえ……」  カオリ「うちの支店が、結構評判がいいから、盗める技術は盗んでいきたいって」  このえ「うち、評判よかったんですね……」  カオリ「認められてるってことね」  このえ「嬉しいですね! 店長」  カオリ「ええ! 張り切っていこうじゃないの!」  このえ「……で、何時頃来るんですか?」  カオリ「もうそろそろのはずだけど……」   そこへ、サラリーマン(伊藤裕介)が一人やってくる。あとを追うようにもう一人(浩司)。  カオリ・このえ「いらっしゃいませー!」  裕介「おはようございます」  カオリ「どうぞごゆっくりご覧くださいませー」  裕介「すみません」   裕介がカオリのもとへ。  裕介「私は本社から来ました、伊藤裕介と申します。こちらは、部下の佐々木浩司です」  浩司「ど、どうも……」  このえ「あ……」  浩司「……(このえと目を合わさないように必死)」  カオリ「あなた……このえちゃんのストーカー?」  浩司「! そ、そこまでしてません!」  裕介「……ちょっと待て、佐々木……」  浩司「は、はい?」  裕介「ストーカーとはどういうことだ? 詳しく説明しろ」  浩司「俺はそこまでしてません! ただちょっと、名前を調べただけです!」  裕介「ストーカーまであと一歩か?……ふざけるな! 会社の信用を地に落とす気か!」  浩司「は……」
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