第一場

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このえ「嫌だって言ってるでしょ?」 浩司「お返事は」 このえ「嫌です。お断りします」 浩司「……空耳だと思ってたのに……!」 このえ「あんたアホ?」 浩司「違います! 俺は結構優秀で……」 このえ「はいはい、どうでもいいから、とにかく帰って下さい」 浩司「何でですか! 俺がどこにいようと、俺の自由でしょう!」 このえ「迷惑なんです。変な人がいるとお客さんは入ってこないし、何も買わないのに居座られたって困るんです!」 浩司「俺だって、追い出されるのは困ります! ここでずっとあなたを見ていたいんです!」   沈黙。ややあって、このえが叫びだす。すごい剣幕。 このえ「いやあああああああああああっ! ストーカーッ! 変態ッ! 痴漢っ! ストーカーッ! 出てけぇっ!」  浩司「ひっ!」  このえ「さっさと出てけ、このストーカー! 店長の留守は、私が守るんだから……!」  浩司「は、はい! 帰ります!」  浩司がぎくしゃくした動きで店から出る。このえ、ほっとした様子。  このえ「はー……。助かった……。怖かったぁ……」   少し間をおいて、はっとしゃべりだす。 このえ「……また来たら、どうしよう?」   暗転(時間の経過)。
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