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翌日。店内にこのえがいる。そこに、浩司が登場する。
このえ「いらっしゃいませ!」
浩司「こんにちは!」
このえ「……帰って下さい」
浩司「! 何故ですか!」
このえ「迷惑です。他のお客様の邪魔になるので、帰って下さい」
浩司「他に人は……いないけど」
このえ「入ってこれないでしょう! あなたみたいな人がいると!」
浩司「俺のことなんて、気にしませんよ」
このえ「気にします!」
浩司「何の根拠があって気にするなんていうんですか?」
このえ「女性向けのショップに、彼女へのプレゼントを見るわけでもなく、店員と話している男がいるんです。怪しいです、気になります、入りにくいです」
浩司「そんなことはないです」
このえ「じゃあ逆に聞きますけど、どうして気にしないって言いきれるんですか?」
浩司「欲しいものがあるなら、そんな、空気なんて気にしていられないでしょう」
このえ「その、欲しいものを探しにここに入るんでしょう。そもそも、空気を気にしないなんて……そういう、あなたみたいな人を図々しいというんです」
浩司「図々しい……ですか」
このえ「はい。図々しいです。自覚ができたならとっとと帰って下さいますか? 本当に迷惑です」
浩司「……」
このえ「全く、人の迷惑も顧み……ず……?」
沈黙が降りる。なんだか気まずい空気。何か気に障ることを言ったかと、段々はらはらし始めるこのえ。
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