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「な、なんだこれ…?」
俺は言いにくそうな女子の訳が解った。
これは酷い。
誰も教室に入ってないじゃないか…。
「そこで、慶くんお願いなんだけど……。」
そこでってなんだよそこでって。
なんか、やな予感しかしないんだけど…。
「みんな鷹山さんを怖がって教室に入れないの。」
「だから、鷹山さんをなだめてくれない?」
するともう一人の女子も困った顔で、話しに入ってきてお願いした。
「えぇ!なんで俺が?」
「え!慶くんは鷹山さんと知り合いじゃないの?」
「なんでそうなる!」
「昨日すっ飛ばされてたから知り合いかなって。」
(おいおい、考えがおかしいぞ?考え直せ!)
「とにかくお願いできないかしら?」
「お願い!今は慶っちしかお願い出来ないの。」
あーあーわーったよ。
てか、餓鬼ん頃からこんな役ばっかな気がする。
「ま、とんかくなんとかするわ。」
「助かったわ。無理言ってごめんなさいね慶くん。」
「ありがとう。助かったよ慶っち。」
はぁ~疲れてるのになぁ。
ま、軽くさらっと行きますかな。
「あ、そうそう。」
「?」
二人は何って顔で慶治をみた。
「おはよー。瀬尾(せお)、晶(あきら)。」
二人はポカーンとした。
ちなみに大人しそうな丁寧な話し方が『瀬尾』で、制服のブレザーを腰に巻いた少しチャライのが『晶』。
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