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(色々と無理がありすぎるだろそれは……。お前はそれでいいかもしれんが。)
「んならよ。自分で作っちゃえば、いいじゃないか。」
「え!?」
「同好会みたいに署名募集してみれば。な?」
まぁ、我ながらなかなかのアイデアだと思った。
が、これがこれからの悲劇の幕開けとなるのだった。
「……それよ。」
鷹山は聞き取りにくい声で、小さく言った。
「それよ!!」
ぐあっ!
急にデケェ声だしやがって!
慶治は耳に手をあてた。
「あたしの相撲部屋を作ればいいんじゃない!あなたGOOD IDEAじゃない!」
「ははは……そりゃどうも。」
慶治は話しが余計に、長くなりそうに感じた。
墓穴を掘った慶治は、晶と瀬尾に向かって手話で謝った。
すると瀬尾と晶は手話で、何やら頑張れと伝えてきたが、やれやれ俺への励ましは無しか。
俺は朝のホームルームまで後5分しかない事に気付く。
こうなりゃ強行突破だ。
「あなたやるわね!名前は何だったっけ?」
「ん?あぁ、不知火だ。悪い鷹山、ちとトイレ行くから。部屋か部活作り頑張れよ。」
「あったり前よ!放課後から楽しみになってきたわ!」
鷹山はもの凄くワクワクしていた。
トイレへ向かう俺は教室の入口ですれ違い様に、晶と瀬尾に親指を縦てOKサインを出した。
(OKだ!)
(ありがとう。)
(おつっす。)
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