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「慶治飯食わんないんかな~っと、思ったら弁当だったんかい。」
「………で、用は?」
「うわっ!冷てーなー!一緒に飯食おうや。っと、思ったが邪魔だったか?」
山口は晶と瀬尾をみたあと慶治に視線を戻した。
「……なんでだ。別に食えばいいじゃねぇか。」
「へっ?あ、いや。別に……。
(やっぱ鈍いな慶治は。)
「そうですよ。ご一緒しませんか?」
瀬尾、そいつに優しくするな。付け上がってしまう。
「うおっ!まじで?じゃ、お邪魔します。」
俺は相変わらずため息をつくが、俺の左隣でずっと黙って山口を睨む晶がいた。
「…………。」
あの晶さん。
すんごい目付きだよ?
なんだその小動物が警戒する仕草と目は…。
まったく可愛いだろうが。
「あの……慶治ぃ~。」
「あ。なんだ山口?」
「あの子ずっと僕を睨んでるんだけどなんでかなぁ~?」
「あれは、まだお前に慣れてないから警戒した小動物だ。」
「いや!まさか俺にときめいているかも!?」
「間違ってもない。」
とりあえず仲良くやっといてね。
俺は心の中でそう願った。
「とりあえず……こ、こんちわ~。」
手を出した山口。
その時晶は、ビクッと驚いて俺の後ろに隠れた。
って、おいおい。
俺は飼い主ではないぞ。
「ううぅぅ~……。」
晶は子犬の様に唸って威嚇した。
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