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「………。」
その時、俺は一瞬動きが止まった。
(慶くん?なんだ…なんか忘れているような…。)
「その子泣き虫でね。弱っちいけど…。私の大切な子だった。」
俺はつい見とれてしまった。
あまりにも鷹山が、可愛く綺麗に笑ったからだ。
ただ、それだけでない様な気がする。
「どうしたの?」
気が付くと鷹山が目の前にいた。
「あ、いや何でもないよ。」
「ま、とりあえず放課後まで待てないわ。今から聞いてくるわよ!」
「あぁ、俺も?いや、待て時間がって聞けー!」
俺はワイシャツのネクタイを引っ張られて連れられた。
ただ途中、目の端に写っていた瀬尾と晶が合掌していた事に気付いた。
「あぁ、新しい部活を作りたいなら生徒会に申請して部員5人は必要だよ。」
職員室の先生に告げられた。
教室に戻る廊下で鷹山が妙に嬉しそうに呟いていた。
「フムフム5人か…。私一人いれば大丈夫なのに。」
(まぁ、納得だわ。)
「しかしあと3人もどうやって…。」
………おい、ちょっとまて。
「ちょっと待てー!」
心で一発、声で一発突っ込んだ。
「なんで俺もなんだよ!」
「あら?なんでよ?」
「なんでよって、そんなさらりと…。と、とにかく俺は帰宅部で結構だ。」
「つまらない青春ね。」
「俺にとってつまらなくないからな。」
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