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「同好会?いやよ、あたしはトップを目指さなくちゃいけないの!」
「いやまぁ、確かに大会とかは出れないがないよかましだろ?」
「でも…」
「そのうち集まって来るよ。」
「……仕方ないわね。それしかなさそうね。」
「それにしても、なんでそこまで横綱に?」
すると鷹山が立ち止まった。
「さっき言った慶くんって子。その子とね、約束したの。『二人で横綱になろう』って!」
はた迷惑だなその子に……あれ?
やっぱ、何か忘れてる……。
「だからあたしは強くなる。それにあたし、相撲が大好きなんだ。」
「……あ、そ、そうか。」
なにか思い出しそうだ…。
「慶治はあたしの部活入るの決定。」
「ちょっと待て、俺は入らないぞ。」
「観念なさい!貴方に否定権はないわ!」
「わっ!ヒデェ!」
疲れた……。
とにかく俺は奈々を振り切った。
ま、暇だったら入るかな?
「ただいまー。」
俺は玄関で靴を脱ぎすてた。
「あ、お兄ちゃんお帰りー。」
「おう美菜子、ただいま。」
慶治は美菜子の頭を撫でてあげた。
「うぅ~ん。」
かなりうれしそうな美菜子だ。
あ、やっぱ癖かな。
ついつい撫でてしまうな。
『不知火 美菜子』(みなこ)は実の妹。
俺の担任みたいなおっとりポワポワした大人しい妹だ。
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