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『て、てめー!』
いじめっ子達が男の子目掛け一直線でやってきた。
(……やられる!)
男の子は歯を食いしばって耐える構えだった。
すると突然女の子が、男の子の前に立った。
『あ!危な…』
すると女の子は5歳児とは思えない位綺麗にいじめっ子達を投げ飛ばした。
『はぁ…………。』
男の子はつい見とれてしまった。
『いってぇー!』
『うわぁあー!』
『助けてー!』
『おととい来なさい!』
いじめっ子達はスタコラと逃げて行った。
『あ、あの…ありがとう。』
男の子は伺う様に女の子に言う。
すると女の子は振り返り、少し頬を赤らめて言った。
『ううん……。こっちこそありがとうね。可愛いなんて……嬉しかった!』
それからは毎日の様に男の子と女の子は公園で遊んでいた。
『慶く~ん。こっちだよ~。』
『なぁちゃん待って~!』
二人は毎日、日が暮れるまで遊んで、泥んこになっていた。
『私、慶くん大好き!将来はあたしをお嫁さんに貰ってね。』
女の子はとびっきりの笑顔で男の子に言った。
『うん!僕もなぁちゃんが大好きだよ!僕も大きくなったら、なぁちゃんと結婚する。』
『約束だよ?指切りね!』
『うん。』
二人はまだ小さな手で互いの小指を取り合った。
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