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すると相手の狐仮面は鋭い踏み込みから手刀を放って来た。
「は、速い!」
鷹山はまだ尻餅をついていた。
「とう横っ跳び!」
かろうじてよけた鷹山だった。
「すざましい気迫だな…。」
俺は狐仮面を見た。
……ん?
何故チラ見しては顔をそらすんだ?
「隙だらけじゃん?」
俺は思わずツッコミを入れてしまった。
狐仮面はハッとした。
目の前に鷹山がやってきたからだ。
「突っ張り突っ張り!」
鷹山は物凄い勢いで張り手をかました。
が、全てよけられている。
「甘いわ!」
すると鷹山は相手の腰あたりをまわしを掴む様に掴んだ。
ひらひらとした装飾がある胴着がわざわいした。
「逃がさないわよ!」
「鷹山気をつけろ!合気道はそこからでももっていかれるぞ!」
確かに相撲では有利な"もろ差し"。
完全に相手の懐に入り込み綱に両手が掛かる状態。
だが、まだ手が自由な合気道は何をするか…。
「慶治も甘いわ!相撲は投げ技だけではないわ!」
すると鷹山は細い相手の胴に手を回した。
「こんな技もあるのよ!」
「!!!」
すると狐仮面は苦しそうに海老反りの様な感じになった。
「あ、あれは…?」
「プロレス技じゃないのか?」
外野は鷹山の決まり手がわからなかった。
「あ、あれは"さば折り"だ……。」
「さば折り?」
「ベアーハグじゃないの?」
外野は俺の方を見た。
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