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あれから10年
今日は快晴。
雲一つない最高の天気の今日は、4月1日。
俺、不知火 慶治(しらぬい けいじ)は今日、日の下開山高校に入学することになった。
桜舞う通学路を不知火は、スタスタと歩いていた。
そんな不知火はスポーツは特別出来る訳ではなく、学力はまぁ上から数えたら早いが特に頭がいい訳でもない。
取り分け目立った所がない。
ま、健康と柔軟な体で怪我をしないのだけが取り柄だ。
だが、体格はがっちりとしている。
「そう言えば今日は妹の誕生日だっけ?何か、プレゼントでも買ってやっかな…。」
自分の祝いの日に妹の誕生日とはな…。
不知火は複雑な気持ちだった。
そして家からそう遠くない高校なため街まで行かなくてはならない。
「遠いんだよなぁ……街……。」
なんて俺は妹のプレゼントを考えていたら、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
「オッス慶!また一緒の学校だな。」
「なんだおまえか?朝から大声をだすな。頭が痛い…。」
「まあまあ、いいじゃん別に。おまえ低血圧じゃあるまいし。」
「…………おまえの存在が頭痛いわ。」
「ひっでぇなぁ!ははは!」
こいつは山口 夏樹(やまぐち なつき)小学生の時から腐れ縁だ。
俺は幼稚園児の時、親父の都合で県外に越した。
そして小学生からずっとつるんできた奴だ。
だが、俺は訳あってまた親父の用事でまた帰ってきたんだ。
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