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翌日は教室に行くことなく訓練室へ直接向かって行った鏡夜。
「おまえら早いな…」
「あ、鏡夜。今緋澄君に魔力付加を教わってたんだよ」
鏡夜の存在にいち早く気づいた唯が返答する。
「昨日は魔力付加まで行けなかったからさー」
「だからこうやって二人に実際に見せて覚えて貰おうと思ったんだけど…」
そこで緋澄は苦笑いを浮かべる。
「全然わかんないんだよね~」
照れを隠すように笑いながら言ったのは由姫である。
「そういえば鏡夜はできるのかい?」
「当たり前だ」
即答する鏡夜に一同はただただ笑うしかなかった。
「じゃあ僕の代わりに教えてあげてくれないかい?どうやら僕は教えるのが下手みたいで」
「それは構わないがお前はどう教えたんだ?」
キョトンとした様子の緋澄はこうだよと言って、最初から持っていた双銃を構えて、
「ぐわっときてハァ!!とやってピタッ!こんな感じだよ」
誇らしげに紅く淡い光を放つ双銃を掲げる。
「わかった、もういい」
やれやれといった感じで溜め息を吐き二人に向き直る。
「じゃあ、一緒にやるからついてこいよ?」
「わかったよ」
「はーい」
それじゃあ、と言って魔器を手に出現させる。
「魔器に魔力を流し込め、そして魔器の中を血液のように隅々まで行き渡り、巡るイメージだ」
そこで言葉を切る鏡夜を不信に思い、集中するために閉じていた目を開く、そして驚愕する。
「あれ?」
「出来てる」
唯の剣は白く、由姫の槍は緑色に淡い光を放っていた。
「あとは練習して時間短縮だ、因みに慣れればこんなことも出来るからな」
そして大鎌を軽くだがそれなりの速さで振り抜く。
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