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「これで全員終わりましたね、皆さんお疲れ様でした、明日から本格的な授業に入ります」
橘は解散っと言い残して訓練室を出ていく。
「鏡夜、帰ろうよ」
「あぁそうだな」
そして二人は訓練室を出て喫茶店『想い出の欠片』に行くことになった。
「それにしても由姫大丈夫かな?」
「多分平気だろ、訓練室の魔法もあるしな」
「緋澄君も大変だよね」
「半分は自業自得みたいなもんだけどな」
その時カラン、と音をたてて喫茶店の扉が開く。
「あ~やっぱりここにいた」
「本当だ」
噂をすれば何とやら入って来たのは由姫と緋澄だった。
「あ、由姫体は大丈夫なの?」
「うん、訓練室を出て直ぐ気がついたんだけど…」
頬を朱に染め俯いてしまった由姫に、
「あれは本当にすまなかったよ」
「緋澄何かあったのか?」
「あぁ実は慌ていたからおもいっきり廊下を走っていたらいろんな教室から生徒や先生が出てきてそれだけなら良かったんだけど、僕の由姫の抱え方が不味かったみたいで」
そこまで聞いて二人は理解した。
見目美しい二人がお姫様抱っこ状態でいれば色々と言われたのだろうと、由姫は恥ずかしさに耐えきれず固まっていただろうことを
「まぁなんつうか二人ともお疲れ」
その言葉は鏡夜にとって精一杯の労いの言葉だった。
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