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(俺もやるか)
鏡夜はプールサイドに歩みより右手を水に浸す。
意識を右手に集中し魔力を流す。
───丸く、水晶の様に。
声には出さず己の内で強く思考する。
そして右手を水中から出す、
「まぁ、こんなもんか」
鏡夜の右手のひら数センチ上には美しい水晶玉の様に傷一つ無い氷塊が浮かんでいた。
氷塊のできに満足したらしい鏡夜は右手の氷塊をプールに投げ込む、プールに落ちる途中に氷塊は水に戻りプールの水と同化する。
「呼ばれるまで暇だな…」
空を見上げ鏡夜は一人ごちた。
───別の訓練室
「俺は火属性担当の大嶋 猛だ」
二メートルは有ろうかという背丈に見合う筋肉質な体で大嶋と名乗った男は指示を出す。
「今日はどこもやることは実力審査だ、まぁ方法は自由だがな。
ここでの審査はそうだな…呼んだやつから俺にてめえらの使える最強の魔法をぶつけてこい、他は適当に練習しとけ。
そんじゃ始めるぞ、橘のクラスの緋澄!出てこい」
「はい!」
他の生徒が大嶋の勢いに圧されているなか物怖じせず大嶋の元へ行く。
「何やってんだ!!他のやつは散れ~!!」
近くで叫ばれた緋澄は耳を押さえ悶絶する。
他の生徒はいそいそと適当な場所に移動していった。
「それでは行きます!」
「おぉう!いつでも来い!!」
そして緋澄は右手を前に出し魔力を練り始めた。
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