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「光の審判者よ我乞い願う、罪人への清廉たる裁きを、清光の断罪」
葉菜の頭上に強烈な光が現れ降り注ぐ。
「え、嘘上級!?一年生なのに!?」
次の瞬間葉菜は唯の魔法の効果範囲外まで移動していた。
「はぁ…はぁ…大丈夫ですか?」
本当に全力の魔法を放ったため魔力が不足していて息が切れながらも葉菜を心配する唯。
「私は大丈夫よ、貴女の方がマズイみたいよ、後はゆっくり休んでいなさい」
「はい、そうします」
唯は危うい足取りで壁際まで歩き壁にもたれ掛かる。
「あの年で上級が扱えるなんて…」
驚きが隠しきれず思わず思考を洩らす葉菜。
「これからが楽しみだわ」
最後はどこか新しい玩具を買ってもらった子供の様な笑みを浮かべていた。
その頃由姫も試験を受けていた。
ただし他とは違い教師の放つ初級魔術を回避するというものであった。
「来栖さん行きますよ」
風にたなびく茶髪に同じ色の瞳で鏡夜や緋澄より若干高い身長にゆったりとした服を身に纏い左手に扇子を持っている男性が由姫に問う。
「はい、いつでも大丈夫です」
「それでは早速」
そして手に持っていた扇子を振るうと風の刃が生まれる。
どうやら扇子自体が彼の魔器らしい。
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