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「蒼き流麗な氷、我が背に纏いて翼となれ、蒼氷翼」
詠唱とともに鏡夜の背に氷の粒子が集まりそれは直ぐに蒼く輝く翼となり鏡夜をふわりと浮かべる。
「穿て」
鏡夜の言葉に反応して本来羽毛があるべき場所には氷柱が生えていてそれが水でできた人形に次々と射出されていく。
氷柱が人形に刺さりその場から凍りついていき数秒もせずに氷で出来た剣山が完成した。
「こんなもんでいいか?」
「え、えぇ降りてきて」
橘は鏡夜の魔法にただ唖然としていた、人形とは言え人型の物に躊躇なく魔法を放つ姿に。
危惧していた記憶に新しい模擬戦のときの鏡夜に。
そして鏡夜は翔んだときと同様にふわりと着地した。
「この魔法の階級は?」
「あぁたしか分類は中級だ」
「そう、じゃあ貴方は誰に魔法を教わったの?」
質問に対して表情を険しくする。
「父さんだ」
「そうなの、じゃあ貴方で最後だから講堂に戻っていて」
鏡夜は何も答えず歩き去っていってしまった。
「まったく、無愛想だなーそれにしてもさっきの魔法中級か…噂は本当みたいですね」
橘はひとりごちてから自身も他の生徒に指示を出して講堂に向かった。
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