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四人はさっさと移動を終え鏡夜の家に来ていた。
「今日はご両親は留守なのかい?」
「あぁ…そうだな」
含みのある答えに疑問に思う緋澄だが深く追求しようとはしなかった。
「じゃあしばらく寝とけ、俺たちはリビングに居るから」
「ごめんね、キョウ」
「気にすんな」
そういって鏡夜は部屋から出ていった。
(あ、キョウの匂いがする)
そんなことを考えながら唯はすやすやと寝息をたてていた、よほど疲れていたらしい。
「あのさ、今さらなんだけど二人が幼馴染みなら近くに唯の家があるんじゃないの?」
当然の疑問である。
「いや、俺の親と唯の親は学生時代からの仲らしくてよく家族ぐるみで出掛けたりしていたからな、だから唯の家は学園からは少し遠くにあるんだ」
鏡夜の説明に二人は納得したように頷いた。由姫はまだ質問が有るらしく、ところで、と前置きして
「二人は付き合ってないの?」
「……は?」
「鏡夜、ここはハッキリさせておこう、もし二人が付き合っているのなら僕達も気を遣わない訳にはいかないからね」
「ちょ、ちょっとまて緋澄まで何を言って…」
あまりに突拍子もない質問に狼狽える鏡夜にさらに止めをさしに来る由姫。
「誤魔化しても無駄なんだから白状しなさい」
ビシッと指を鏡夜の鼻っ面に指す由姫には抗いがたい迫力があったという。
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