昔話~力の目覚め~

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「そしてその子供は幼なじみの家に引き取られたが直ぐに自立した。 子供は幼なじみに恩を返すために、自分の身を守るために、両親の仇をとるためにひたすらに力を求めましたとさ」 そこまで話し鏡夜は立ち上がる。 「すまない、飲み物を出してなかったな」 そう言って鏡夜はキッチンへと消える。 「今の鏡夜のことだよね」 「うん、僕達は無神経だったみたいだ」 二人を暗い沈黙が包んだ。 「おいおい、何暗くなってんだ?」 「すまなかった、余りにも無神経だったよ」 「ごめんなさい」 二人は深々と頭を下げる。 「止めてくれ、だから俺の気持ちは黙っててほしい」 緋澄と由姫は黙って頷く。 それと同時にリビングのドアが開く音がする。 「何を黙ってるの?」 鏡夜は絶句する。 「いや、何でもない」 「私だけ仲間外れ?」 それまで流れていた気まずげな空気はどこえやら、 唯は頬を膨らませている。 「唯、別に大したこと話してないよ」 「そ、そうだよ」 由姫と緋澄も鏡夜に加勢する。 「あー皆で私を仲間外れにするつもり?」 唯は悲しそうに部屋の隅で膝を抱えていじけてしまった。 鏡夜はこの状況に盛大に一つ溜め息を吐かずにはいられなかった。  
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