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鏡夜は四苦八苦しながらも唯に昔話をしたと話し誤魔化すことに成功した。
「それより、お前ら聞きたい事が有るんじゃないのか?」
「聞いていいのかい?」
「あぁこれは俺から話したんだかまわないさ。
これは唯も知らないことなんだ、先ず異能は知ってるか?」
「読んで字のごとく、普通とは異なる力を持つ人のことだよね?」
これは唯。
「あぁ、その通りだ。
俺の氷の属性も言ってみれば異能だ。
だがこの瞳はそんな生易しいもんじゃない、異能中の異能。
『魔神の瞳』と呼ばれる物だ」
その場にいる全員が沈黙する。
そして、
「魔神ってどういうこと?」
真っ先に口を開いたのは由姫だった。
「その名の通りだ、この瞳を持ってすれば一国も落とせるだろうな」
今度こそ四人は絶句した。
「この瞳はこの世の全ての精神(こころ)を支配出来る」
「どういう、意味?」
やっと絞り出したように唯が聞く。
「人だろうが岩だろうが魔器だろうがそのものの精神、記憶何もかもが思いのままってことだ」
例えば、と言って緋澄の指輪に触れる。
「へー偉いな、毎日射的訓練してんだ」
「な、何でそれを?」
「だから言ったろ?精神も記憶も自由何だって」
「キョウ、その目…」
「魔神の力を使ってるとこうなるんだ」
そういった鏡夜の目は蒼銀に輝いていた。
「それにしても…三人ともありがとう」
鏡夜は唐突に頭を下げた。
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