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鏡夜の告白から一ヶ月、学生の本分たるテストが間近に迫っていた。
「皆さんにテストについて説明しますから、ちゃんと聞いて下さいね」
クラスの教壇に立ち話しているのは橘である。
「学園のテストは筆記と実技です。
筆記は魔学、一般教養、歴史です。
実技では入学当初に査定したものを元に学年関係無くテストします。
テストは一週間後なので皆さん頑張って下さいね、連絡は以上です。
気をつけて帰って下さいね」
橘が教室を出ると同時に生徒達は次々と帰る支度を始める。
「ねぇねぇ、皆で勉強しようよ!」
元気良く鏡夜の席走り寄って来たのは由姫である。
「そう来ると思ってたがどこでやるんだ?」
「えっとそれはきょ──
「まさか図々しくもうちに上がり込もう何て言わないよな?」
由姫はそこで表情を強張らせる。
「まさかまた?」
「そんなことで力を使う分けないだろ、お前は分かりやすいんだ」
「うっ…」
何も言えなくなった由姫に助け舟が出される。
「僕からも頼むよ、わからないところも聞きたいし」
緋澄は照れ臭そうに頬を掻きながら鏡夜に頼む。
そこですかさず由姫が唯にアイコンタクトを送る。
「お願い、鏡夜」
唯の傾げ+上目遣いに完全に鏡夜は堕ちた。
「まぁ別に勉強するだけなら」
そこには小さくガッツポーズをする由姫の姿があった。
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