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「唯です、こちらこそ仲良くしてくださいね」
唯はにっこり笑って挨拶するが鏡夜は、
「鏡夜だ、何の用だ?」
「ちょっと鏡夜クラスメイト何だから仲良くしよう?」
「わかったよ、よろしくな」
緋澄と由姫はよろしく、と返して。
「講堂まで一緒に行かないかい?」
「それは構わないが」
「じゃあ行こっか~」
「そうだね」
四人は講堂を目指して教室を出ようとしたとき、唯に誰かがぶつかってきた。
「きゃ!!」
唯は反動で尻餅をついてしまう。そこにすかさず鏡夜が手を貸して立ち上がらせる。
「ぼさっとしてんじゃねーよ邪魔だどけ」
三人いる男のうち先頭に立つ生徒が罵声を浴びせかける、どうやら三人の中でリーダーらしい、取り巻きが話しだす。
「この方は貴族の響様だぞ!!」
「しっかり謝罪しろ」
「そうだ、自身の価値を知れ、ゴミどもが」
「君たち!」
「今のはイラッと来るな~」
「ぶつかって来たのはあっちなのに」
緋澄、由姫、唯の順に不満や注意の言葉を漏らす。鏡夜だけは無言で響の前に歩み出る。
「貴様等がぶつかったんだ謝罪するのは貴様だ」
「なっ!!」
「響様になんてことを」
「謝罪程度ではすまされないぞ」
響にいたっては怒りのあまり顔を真っ赤にして震えている。
「貴様!!今すぐ土下座しろ!!出ないとただでは─────」
「済まさないと?自身に力が無いことを棚に上げ親の力を使うか?」
鏡夜は響の言葉を遮り冷笑を浮かべ、一言。
「貴様こそ正真正銘のゴミだな」
鏡夜は三人に振り返り、行こうと言って廊下へと歩きだす。
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