INHABIT 2-白の絆と黒の繋がり-

モノクロの一年-最期のメール-

３年前

ミライ国立魔法学園における最悪の事件『オペレーション・アーミーブラッド』から１年が経ったこの日。夜風学園長の後を任された新しい学園長の提案により、一周忌の催しが行われた。

「－－であり、犠牲者のみなさ－－－－」

長々しい学園長の話は続いている。もう30分は話しているだろうか……。生徒達の殆どは静かに寝るなり、こそこそと隣の仲間と話すなりで、話を真剣に聞いている生徒は皆無だ。先生達ですら話を聞いていない。
ただし、皆があの日の惨劇を忘れたわけではない。あの場に居なかった現学園長が、さも、この事件の全てを知っているかのように話をしているのが気に入らないだけなのだ。

「－－－。生徒諸君、犠牲となった仲間の分まで、しっかりと勉学に励むように！以上」

結局、話は１時間にもおよんだ。