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一輝達は着いていく間、ミリアを見て思っていた。
マリと同じ綺麗な金色の髪と強い力のこもった目、醸し出す雰囲気、顔立ち。
[マリは母親似なんだな]
と。
「ここよ。さぁどうぞ」
一輝達が案内されたのは3階の一室だった。扉が2階の部屋より少し豪華なのを見ると、どうやらスイートルームみたいなもののようだ。
部屋も広めだ。(あくまでも小さな宿屋なのでそれなりである)
「あ、香奈ちゃんは隣の部屋ね」
ミリアはそう言うと、三人をソファーに座らせ、向き合うように座った。
「あ「本っっっ当に来てくれてありがとう!!」
一輝が口を開こうとした、その時、突然、勢いよく扉が開いた。
目を移すと、そこでは一人の大柄な男性が土下座していた。
男は顔を上げる。
男はゴツいその顔をくしゃくしゃにし、目から大量の涙を流していた。
「あなた!マリの友達にそんな汚い顔見せるんじゃないよ!!私も見たくないし」
ミリアは直ぐに立ち上がり、男に駆け寄ると、伏せていた男の腹に鋭い蹴りを入れた。男は転がりながらミリアに謝り続けている。
そんな二人を見て、一輝達は思った。
[本当に母親似なんだなぁ]
と。
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