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青年が振り向くとそこには小柄な少女が階段を駆け上がってきていた。
「はぁ…はぁ……待ってくださいよぉ」
「……何だ?」
息を切らしている少女に無機質に答える青年。
少女は息を整えると少し大きな声で話す。
「お、お疲れ様です!」
「ん……ああ、お疲れ」
「ひえっ?」
少女は少し驚いている。
「どうかしたか?」
「い、いえ……初めて先輩が答えてくれたので……」
「……そうだったか?まぁいい。今日は少し話したい気分なんだ」
いつも以上に話す青年に、少女はまた「ほえっ?」とか言って驚いている。
そんな少女を見て青年は少し微笑む。
「せ、先輩が笑っているところ始めてみました」
「……そうか」[そういえば最近笑ってないな……]
青年は再び窓の外を見る。
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