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青年の夕日を見る横顔を見て、頬を朱く染める少女。
「こここ今回も凄い活躍でしたね!それに……その……かっこよかった…です」
少女の言葉に、青年は外を見たまま応える。
「そんなことはないさ。俺は過去を引きずり続けているカッコ悪い野郎だよ」
「いいえ、先輩はカッコイイです!先輩は……私の憧れなんです。かっこよくて、強くて、クールで……」
「…………」
「勇敢で、敵を倒す力も持っていて……私の力、光は戦闘には不向きです。先輩の力は羨ましいんですよ」
少し暗い表情になり、俯く少女。そんな少女に青年は自分の部屋に足を進めながら話す。
「俺は……君の力が羨ましい」[あの時、俺に癒しの力があれば……いや、無い物ねだりは止そう]
青年は自分の部屋の前で立ち止まると、近寄って来ていた少女に呟くように言った。
「俺の力なんて……虚しいだけさ」
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