6 鬼ごっこ

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   気が狂う。  こんな所に置き去りにされたら、正気ではいられない。それだけは確かだ。  途端に足がすくんだ。  かくかくと膝が笑う。  どうしよう。  一人ぼっちにされたら――――どうしようっ!!  頭の中が、後から後からわき上がる恐怖で今にもパンクしそうになる。  怖い。  嫌だ。  もう無理だ!  怖い怖い怖い!  暗闇に押しつぶされそうで、叫びそうになったその時だった。 「もうすぐだ」  まるでどん底にいる直久の心に一筋の光が差し込むようだった。 「もうすぐ出口だから」  ゆずるが、自分を安心させようと言ってるのがわかった。同時に、その時初めて、自分が息を止めて歩いていたことに気づかされる。
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