7 最高に使いたくない最後の手段

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 その目は、明らかにゆずるしか見ていない。  その夢魔の口元がゆっくり、ゆっくり、左右に引き上がっていく。 (――っ!)  言いようのない恐怖が襲ってきた。  笑ってる。  嬉しそうに笑ってる。  余裕なんだ。あいつは、ゆずるの力なんて、これっぽっちも恐れていない。  そんなに、力の差があるってことなのか。  ――死  その一文字が頭を埋め尽くしていく。  想像してしまう。  せずにはいられない。  文字通り、喰われる自分の姿を。  自分の腕や足に噛みついて。  むちゃむちゃと肉を喰いちぎり。  ずるずると血を啜り……びしゃびしゃと内臓を、骨をしゃぶるそのおぞましい姿を! 「うっ……」  急激に胃が熱くなり、強い吐き気がこみ上げて来たが、なんとか堪える。  でも、体の震えを止めることはできそうにない。
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