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と、その時。
――――おーい……。
再び少女の足が止まる。
やっぱり聞こえた。自分を呼んでいる。
「…………」
嫌な予感がした。
それでも、勇気を出して、今度は勢いよく振り返った。右に左に首をひねり、素早く視線を動かして、声の主を探した。
少女の視線が、道路の端の一点にたどりついた瞬間、赤や白、緑に黄色のカラフルな色が少女の網膜に飛び込んできた。
(……なんだろう?)
無造作に道路の上に捨てられているソレが、気になって仕方がない。
思わず、そっちの方へ足を動かそうとした時、少女の脳裏に大好きな兄の顔が浮かんだ。
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