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校舎と校舎を繋ぐ廊下。
L字の直角の部分から漏れる夕日の色に魅せられてはやる気持ちを抑えながら角を曲がった。
そこには思った通り真っ赤な夕日と
廊下に差し込む夕日に吸い込まれてしまいそうなほど、あまりにも綺麗に染まった君がいた。
『あっ…。』
名前も知らない君の瞳から零れ落ちる涙があまりにも切なくて思わず、声にならない声が出てしまった。
その声に反応した君は、一瞬…こっちを見て、そのまま早足で俺の横を通り過ぎて行った。
あの後、俺は夕日の君に魅入ってしまってしばらくは動けずにいたんだ。
もう隠れてしまった夕日のことも
自分が恋に落ちたんだっていうことも
何もかも全部を忘れて…。
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