追憶のあの日。

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全力疾走の結果、なんとか遅刻せずに式に間に合ったのだけれど。 いつになれば終わりはやって来るのだろうかと思われた恒例の校長の有り難いお言葉や なんてセンスに満ち溢れた校歌なんだと思わせる校歌斉唱など 式典独特の厳かな雰囲気の中で気がつけばいつの間にか終わっていた。 要するに、寝てしまっていただけなのだが。 式が終わり、会場から出て行く人の波に乗り遅れないようにしながら教室に向かった。 ガヤガヤと騒がしい教室の中では、早くもクラスの主導権を握ろうと画策する生徒や しきりに相手がどこの中学出身か聞いてまわり、その中学に自分の知り合いがいるとアピールする生徒や 友達百人出来るかなに挑戦しているのかと思わせる勢いで色んな奴に話しかけている生徒など みんな思い思いに動いていた。
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