追憶のあの日。

5/7
前へ
/141ページ
次へ
喧騒の中なんだか途端に馬鹿らしくなってしまったから、HRがまだ残っていたのだけれど教室を抜け出すことにした。 どういう構造なのかよくわからない校舎を右往左往した挙げ句、運のいい事に四階の家庭科室の横にある非常階段の扉の鍵が壊れているのを見つけた。 散々歩き回ってわかった事だけど、屋上に行くには校舎の中にある階段を使って行くか、廊下の突き当たりにある扉を開けて外の非常階段を登って行くという二通りのやり方がある。 しかし、定番の屋上への道はやっぱり定番通り。 校舎の中にある階段は屋上への道をこれでもかというぐらい机でバリケードが作られてあり、それをなんとかくぐり抜けても南京錠を使って厳重に施錠されていた。 非常階段へ出る廊下の扉も一階から三階まではすべて鍵のツマミが廻らないようになっている。 だけど、四階の扉だけは何故か簡単にツマミが廻った。
/141ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加