第五十九章…神の正体

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「バイトに出てたって……まさかお前、家にいないのか!?今どこにいる!?」 「ど、どこって……えっと、近くの公園だよー?まっすぐ家に帰る気分じゃなかったから、少し散歩でもと思って」 「さん────!馬鹿野郎!!家で大人しくしてろって言ったのに、なんでそんなところにいるんだよお前は!」 スピーカーから響く切迫した叫び。 その声が、今がただならぬ状況だと教えている。 暢気に散歩などしている場合ではないと、そう告げている。 「な、なんでって、だって、私……」 「────いい!今は済んだことを話してる場合じゃない!とにかく、今お前の家に向かってる!だから、お前もすぐ家に戻れ!人気のない道は絶対通るな!いいな!?」 「ちょ、ま、待ってよ御剣く────」 「いちいち話してる時間なんてないんだ!いいな!?わかったな!?小柴!」 「わ、わかった……」 右京のあまりの剣幕に、彼女はただ頷くことしかできない。 今までとは比べ物にならないくらい怒気を孕んだ声。 その声が、彼女にそれ以外の選択を許さなかった。 「十分でそっちに行く!詳しい話は会ってからするから、お前も早く戻れよ!」 「わ、わかっ────」 ブツッ、という通話の切断された音。 彼女の答えを待つことなく、彼は電話を切ってしまった。
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