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「は、推測が立った?逃げ回っていただけのお前にいったいなんの推測が立ったんだ?まさか俺の居場所がわかったとでも?」
「ああ、なんとなくな。お前はたぶん俺の真上か真下……つまりは二階の廊下か四階の廊下にいる。そこから俺を攻撃してるんだろ」
────射程距離はそう長くない。
────校舎の外からでは届かない。
そして────少なくともこの階にはいない。
すべての情報をまとめると、自然そういった答えが導き出される。
今俺がいるのが三階の廊下。
二階か四階なら十分射程範囲の内だろう。
廊下にはいなくとも、そのどちらかの階に身を潜めていることは間違いない筈だ。
「加えて、お前がどうやって俺を判別してるか。これもまあ憶測でしかないけど、お前はたぶん、熱を────俺の体温を察知して攻撃を仕掛けてきてるんだろ。炎を操る異能、それは同時に熱を放つ異能とも言える。サーモグラフィーよろしく、俺の身体から出る赤外線を探知できてもおかしくはないさ」
「────」
これに関してはまったくの当てずっぽう。
しかし、穂村がすっかり黙り込んでいるところを見ると、あながち間違いではないのかもしれない。
しかし、仮に間違いだったとて何も問題はない。
識別方法など大きな問題ではない。
どこにいるかさえわかれば、そんなことは取るに足らない些事でしかない。
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