第六十二章…Lost Memory

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「世迷い言を……!俺の異能をその身に受けて、生き長らえることができると思うなよ!」 「そうか?何度か直撃したけど、俺はこうして生きてる。お前の異能、俺の命を奪うには、ちょっとぬるすぎるんじゃないか?」 「そうまで思い上がるか!遊ばれていたことにも気づかないほど愚鈍とは……救いようもないらしいな!その増長、この夜摩に対する侮辱と受け取った!その罪────万死に値する!」 まるで威嚇するような、一際大きな叫びがトランシーバーから漏れてくる。 その怒声を聞けば、穂村の怒りのほども容易に窺える。 おそらく次に放たれる一撃は今まで最大のもの。 それをまともに受けてしまっては、無事に済む筈はないだろう。 「一片の骨すら残さない!その罪、その咎!お前の魂ごと焼き尽くしてやるよ、御剣右京ッ!」 地獄の釜が開かれ、その支配者が開演を謳う。 その宣告が空気を振るわすと同時に、行く手に巨大な火球が出現した。 少なく見積もって先程放たれたものの倍はあるだろう。 その火力は俺を焼き尽くして余りある。
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