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しかし、よくよく思い出してみれば今夜は七菜と一緒に寝る約束をしていたのだった。
そう考えれば、ちょうどいい時間に起きたと言えよう。
「あーはいはい。今出ますよっと。……あれ?慶兄からだ」
漸く携帯電話を手に取り、ディスプレイを確認してみると、発信者は慶兄であった。
休めと言った本人に起こされることになろうとは思いもしなかった。
今はあのサイトのことを調べてくれている筈だが、何かわかったにしては早すぎる気がする。
事件の進展の連絡というわけではないだろう。
とはいえ、当然でないわけにもいかない。
まだ重く感じる瞼を擦りながら、携帯電話をゆっくりと顔に近づけた。
「もしもし、慶兄?どうし────」
「てめぇ右京ッ!!!いったいどれだけ待たせやがるんだこの馬鹿野郎ッ!!!」
「~~~っ!?」
電話に出るなり、聞こえてきたのは耳をつんざくような怒号。
あまりの声量に、顔に近づけていた携帯を遠く離してしまった。
聴覚に大きなダメージを受けはしたが、お陰でまあ、眠気は覚めたのだが。
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