第五十九章…神の正体

5/83
前へ
/1015ページ
次へ
「家か!?家にいんだな!?なら早く張り付きに行け!何と言われようと片時も離れんじゃねえぞ!」 「ちょ、突然どうしたんだよ慶兄?いきなり張り付きに行けって言われたって────」 「どうもこうもねぇ!!奴の────夜摩の次の標的(まと)はな!加奈ちゃんなんだよ!」 「な────」 小柴が────夜摩の次の標的? そんな……昨日の今日でいきなり、しかも、何故関係のない小柴を? ────いや。 そうか、あの時、見ていたのか。 俺と小柴が末永久に張り付き、守ろうとしていたことを。 奴は自らの裁きを邪魔する者がいると気づいてしまった。 犯行現場を見られた犯人が、目撃者に対して取る行動。 そんなもの決まっている。 口封じ、だ。 ────迂闊だった。 こちらが見ているのだから、あちらからも見られていると認識するべきだった。 公園で末永を包んだ火を消し止めようとした時、俺も小柴もおそらく顔を見られている。 調べているつもりが、調べられていたということか。
/1015ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14243人が本棚に入れています
本棚に追加