罰ゲームの始まり

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「じゃあ行くぞ! じゃーん けーん…」 たまにはこんなテンションも 良いな、と思いつつ、 パーを出した。 …って、あいこじゃねぇか。 座れねー…。 「ハイ次! じゃーんけーんポン!」 …今度は負けた。 このままじゃマズいな。 前に座っている友達の田原は 俺をからかってくるし。 …次こそは! 「じゃーんけーん…ポン!」 「あ」 田原がポカンと口を開く。 俺はそれを見て、 笑ってやった。 「なんだお前、勝っちゃったのか…つまんねぇ」 「くっくっく… 俺が負ける訳ねーだろ」 「ついさっき負けた後に それを言うか」 「・・・・・・」 ――とりあえず、俺は勝った。 有り難く座らせてもらう。 しかし、まだ立っている 前の方の女子に目がいく。 …笹峰(ささみね)さんだ。 俺の片思い中の子。 どうか勝ってほしい…。  
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