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緊張感で張り詰めていた教室は
一気に笑い声で広がる。
「江本だってよ~
指名おめでとう!」
「ヒューヒュー♪」
…このやろー、てめぇらも
不安になってたくせに。
つか、なんで俺!?
顔は普通、成績は上の下、
運動神経は中の上…。
そこまで目立たないが、
悪い性格ではないと思う。
――と、友達に言われてた。
なのに、何でだ!?
話したことも少なく、
勝手な片思いだったが、
嫌われるような事も
してないはず。
――しばらく
考え悩んでいると、
田原が言ってきた。
「もしかしたら
お前の事が好きだから、
指名したのかもしれないぞ?」
「・・・・・え」
その言葉を聞き、
俺は改めて考え直す。
その可能性も、もちろんある。
だけど俺の知っている笹峰さんは素直で、少し天然で、前向きな性格。
嘘をつくような子ではない。
だったらやっぱり俺が…
『絶対付き合いたくない男子』
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