第一章 <<脈有り

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「長いユメを見た気がする」 朝起きたときの俺の一言はこれだったらしい。 その時の一言を覚えていたのは俺ではなく 丁度俺を起こしに来た母親だった。 俺が起床してボーッとしていたのはその一言の間であり その後は平日だというのに夜遅くまで飲酒していた 母親の酒臭い吐息で目が覚め 「クサっ」 「あー、それでそんなコトになったのか」 「そ、朝っぱらからあごが痛ぇぜ」 俺の愚痴を黙々と聞いていたこいつは俺の友達 水城 遊透<ミズキ ユウスケ>。 「お前の親もすげぇな、朝っぱらからアッパーとはな」 「うちの親、元鬼嫁とか聞くんだけど俺は嘘っぱちだと信じきっている」 「おいっ!!」 「まぁ、それはさておき、数学の宿題を見せてくれ」 「相変わらず数学だけは苦手だな…」 「俺は方程式とか何かにとらわれるのは嫌いなんだ」 まったく…と言う、遊透から俺は数学のノートを受け取って 自分のノートも開き、うつし始める
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